米国高配当ETFの比較(VYM, VIG, HDV, DVY, SPYD, SDY)

インデックス投資
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今までインデックス投資は投資信託のみで運用を続けてきましたが、国内のファンドを全て売却したことを受けてETFにも分散投資すべきかと検討中です。

今回はETFの中でも特に高配当の米国ETFについて調べてみました。

運用会社別ETFの分類

以下は投資先分類別のETFと投資信託のファンドの一覧です。

分類ETFETFETF投資信託
運用会社バンガードブラックロックステートストリート
名称バンガードiシェアーズSPDR
全世界VTeMAXIS Slim オールカントリー
SBIバンガード全世界株式
米国VTISPTM楽天 全米株式インデックス
SBIバンガード全米株式
S&P500VOOIVVSPY/SPLGeMAXIS Slim S&P500
SBIバンガードS&P500
高配当VYMHDVSPYDSBIバンガード高配当株式 
 VIGDVYSDY 

赤下線は現在積立中の投資信託青下線が高配当ETFとなります。
がついている投資信託は2021年6月15日に新規追加されたファンドです。

積立中の投資信託と同等のETFはオールカントリーだとVT、S&P500だとVOOIVV, SPYとなります。このあたりのETFは非常に有名なので耳にすることも多いです。

高配当ETFについて

青下線の高配当ETFに関しては米国ETF投資家にとってはおなじみの顔ぶれだと思いますが、投資信託のみ行っている私にとっては今まであまりなじみがないファンドでした(※ツイッターの情報から最近知るようになりました)。

自分の勉強のため、それぞれのファンドをまとめました。

VYM

VYMバンガード・米国高配当株式ETF)はバンガード社のETFの1つで、全米3700社のうち416銘柄で構成される米国株高配当銘柄のファンドです。

2021年7月時点の主な構成は金融(21%)、生活必需品(12%)、ヘルスケア(12%)となっています。

分配金利回りは2.84%です。

VIG

VIGバンガード・米国増配株式ETF)はバンガード社のETFの1つで、10年以上連続で増配を続けている米国高配当銘柄で構成されているファンドです。

2021年7月時点の主な構成は資本財(22%)、一般消費財(16%)、ヘルスケア(15%)、金融(14%)となっています。

分配金利回りは1.72%です。

HDV

HDViシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)はブラックロック社のiシェアーズシリーズの1つで、74銘柄で構成される米国高配当銘柄のファンドです。

2021年7月時点の主な構成は生活必需品(21%)、エネルギー(18%)、ヘルスケア(17%)となっています。

分配金利回りは3.59%です。

DVY

DVYiシェアーズ 好配当株式 ETF)はブラックロック社のiシェアーズシリーズの1つで、100銘柄で構成される高配当銘柄のファンドです。

2021年7月時点の主な構成は公共事業(27%)、金融(21%)、生活必需品(8%)、エネルギー(8%)となっています。

分配金利回りは3.20%です。

SPYD

SPYDSPDR ポートフォリオS&P500高配当株式ETF)はステートストリート社のSPDRシリーズの1つで、S&P500の中の高配当株の80銘柄で構成されるファンドです。

2021年7月時点の主な構成は金融(22%)、不動産(20%)、公共事業(13%)、エネルギー(12%)となっています。不動産が多く含まれているのが特徴です。

分配金利回りは4.08%となっています。

SDY

SDYSPDR S&P 米国高配当株式 ETF)はステートストリート社のSPDRシリーズの1つで、S&Pコンポジット1500指数の中から過去20年以上連続増配を続けている高配当銘柄で構成されるファンドです。

2021年7月時点の主な構成は金融(15%)、資本財(14%)、生活必需品(14%)、素材(8%)となっています。

分配金利回りは2.89%となっています。

高配当ETFの特徴

ここでは高配当ETFとその他のファンドの違いについて考えていきます。

高配当ETFの基本

高配当ETFはインデックスファンドの中の高配当銘柄のみを抽出してファンドを構成しています。例えばHDVやSPYDはS&P500の中から高配当の銘柄のみを抽出しています。

高配当銘柄の特徴としては、世界経済の動向に左右されず安定した利益を得られることが挙げられます。具体的には生活必需品やヘルスケアなどです。

生活必需品は人が生活する限り必ず消費されます。そのため経済が落ち込もうが一定の利益を確保できます。高配当株はこのような安定した銘柄を中心として構成されています。

安定した銘柄は一定の利益が見込める半面、ハイテク株のように5倍10倍といった急激な株価の上昇は期待できません。安定していることがメリットでありデメリットとも言えます。

基本的には人口と連動して成長すると考えれば分かりやすいです。米国は現在も人口が増加している国なので今後も高配当株で一定の利益を上げることが期待できます。

高配当ETFとインデックスETF

インデックスETFは株式市場全体の時価総額と連動するようにファンドが構成されます。オールカントリー、全米、S&P500それぞれ対象の違いはあれど時価総額の観点で構成される銘柄が選ばれます。

インデックスETFと高配当ETFで構成される銘柄の違いとしては、時価総額の大きなGAFAMなどのハイテク株の比率が低いことです。

GAFAMの時価総額は2021年7月現在で1000兆円を超えておりナスダック指数の50%以上を占めています。GAFAMはいずれも低配当、Google, Amazonに至っては無配当です。そのかわり株価は年間20%以上のペースで成長しています。

時価総額で市場を捉えているインデックスファンドはGAFAMなどの成長株の構成が高くなり、高配当株では構成が低くなります。そのため配当(インカムゲイン)としては有利ですが株価上昇(キャピタルゲイン)としては不利となります。

高配当ETFと投資信託

高配当ETFと投資信託の比較は基本的に前述の「高配当ETFとインデックスETF」と同じですが、ETFは配当金を現金で受け取るのに対し、投資信託は再投資型で運用するため配当金に対する税率が変わってきます。

ETFと投資信託の手数料の比較で考えると低コスト投資信託の方が税制面では有利です(詳細は下記記事をご参照ください)。

ドル建てのETFでは税率が28.2%かかる一方、投資信託では税金は10%しかかかりません(分配金再投資型の場合)。分配金を再投資する前提であれば投資信託が有利です。

分配金を生活費に回したいのであればETF、再投資して資産を増やしたいのであれば投資信託を選ぶのが良い選択となります。

高配当ETFとセクターETF

「高配当ETF=安定市場のセクター組み合わせ」と考えると、個別セクターETFを使ったポートフォリオ運用と考えることができます。

高配当ETFに対し個別セクターETFを選ぶことで、より柔軟に自分の意思を反映して投資先を選ぶことができます。

個別セクターを選べば安定を求めて生活必需品や公共事業の構成を増やすこともできるし、成長性を見込んで情報技術の構成を増やすことも可能です。

セクターETF単位で裁量性を持って投資先を選ぶのであれば、個別銘柄を選ぶことも視野に入れても良いかもしれません。それこそApple、Google、マイクロソフトなどのハイテク株やコカ・コーラ、P&Gなどの馴染みのある銘柄を選んでも良いと思います。

(番外編)SBIが新規の投資信託を開始

SBI証券では6/15よりバンガード社のETFに対応する新規の投資信託ファンドを開始しました。

上記のSBIバンガードシリーズが追加されたことで、SBIではバンガード社が提供している米国ETF4つ(VT, VTI, VOO, VYM)が投資信託として選べるようになりました。

特にVYMに関しては同様のファンドが無かったため人気が出そうです。既にSBIの投資信託の売り上げランキングでは20位以内に入っています。

今までは投資信託の選択肢が少なくETFを選んでいた人もいるかもしれませんが、今後は投資信託で気軽に高配当米国インデックスを投資できる環境が整ってきました。

米国増配株のVIGに対応するファンドはまだ無いようですが、投資信託やETFの人気ぶりを考えると将来的には新たに追加される可能性も十分にありそうです。

米国高配当ETFまとめ

米国高配当ETFに関するまとめです。

POINT
  • 米国高配当ETFの配当利回りは2~4%程度
  • 分配金受取を希望する投資スタイルであれば投資先として有効
  • インデックスETFに対しキャピタルゲインとしては不利
  • 再投資前提であればインデックスETF or 投資信託が有利

個人的な意見では、特にこだわりがなければ「VYM相当の投資信託を選択」すれば良いのではないかと感じました。税制面でも有利ですしね。

VYMよりもHDVやSPYDの方が現時点では配当利回りが良いですが、長期保有前提であればキャピタルゲインと合わせて考えると似たような結果になる気がします。

さらに言えば上記の高配当銘柄含めて市場全体に投資をするVT、VTI、VOOの方が取りこぼし無く万遍に投資先を選んでいるという点で最適な選択とも言えます。

結局は、分配金を受け取る投資スタイルが良ければ高配当ETF再投資で資産を増やしたければインデックス投資裁量を持って投資先を選びたければ個別株投資が良いと言えそうです。

高配当ETFが気になっている方は、自分の投資スタイルと合わせてETF/投資信託どちらにするべきかご検討ください。

てんおく
てんおく

大賢者、結局はオルカンとS&P500の投資信託が自分には合ってる気がするよ!

大賢者
大賢者

告。考えたふりをしていますが、結局は考えるのが面倒になっただけですね。

てんおく
てんおく

最近までVTとVTIすら区別つかなかったから投資先は2つで精いっぱいなんです。ブヒー

(追記 21.08.03)
高配当ETFの積立を開始しました。詳細は米国株式の資産比率をUP(2021年8月の積立設定)の記事をご参照下さい。

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