トラリピに興味が出てきたけどどうやって始めたらよいか分からないという方は、まずはトラリピの仕組みを覚えてもらうのが良いです。自動売買の威力に感動すること間違いありません。
異世界転生で言うところのチートスキルですね。鑑定スキル、収納スキル、錬金スキルの次くらいにトラリピが来ます(笑)。知らないままでいるのはもったいないのでぜひご確認ください。
トラリピの仕組み
トラリピはマネースクエアが提供するFXの自動売買の仕組みです。トラップトレードと、リピートイフダンの2つの自動売買設定を組み合わせています。
- トラップトレード:値動き幅(面)に対して注文を等間隔の本数で管理する注文法
- リピートイフダン:指定した売買注文を繰り返す
上記の2つを組み合わせてトラップリピートイフダン(トラリピ)となります。
トラリピの基本概念
トラリピの仕組みを図にすると以下のようになります。
トラップトレードというのがトラリピ最大の特徴ですね。マネースクエア独自の注文法で特許も取得しています。注文する側から見ればレンジと本数だけ設定すれば後は全自動で売買を続けてくれます。
トラリピのメリット
トラリピのメリットは以下の通りです。
- 相場の予想をしなくて良い(レンジを決めるだけ)
- 時間を取られない
- 相場の乱高下に強い
私が一番魅力を感じているのは予想をしなくて良いところです。日々の相場の値動きで利益/損失が変わる状況で平常心を保ちながら手動で売買するのは大変です。トラリピであれば目先の値動きに惑わされず予め決められた条件で注文/決済を自動でやってくれます。ストレスフリーの売買が可能です。
乱高下に強いの項目にも関連しますが、特に値動きが激しい局面では自動売買が威力を発揮してくれます。パニック売りのような突発的な行動もなくなり、文字通りほったらかし投資が可能です。
トラリピのデメリット
ストレスフリーなトラリピですが、デメリットも存在します。
- すぐには利益が出ない(ある程度期間をかけて利益を目指すスタイル)
- 初期は含み損を抱える
- トレンド相場に弱い
トラリピの性質上、一旦含み損を抱えながらポジションを取り、相場が再び戻ってきた際に利益が確定します。長いと年単位でポジションが残り続けます。うまく幅の広いレンジ相場になれば良いですが、一旦下降トレンドに入ってそのまま値動きしなくなるとポジションが塩漬け状態となることがあります。
私は2019年からトラリピを始めましたが、2020年2月に112円代で作られたUSD/JPYのポジションが未だに利確されずに残っています。スワップがプラスなのでほったらかしていますが、マイナスのポジションを取る際は注意が必要です。
(※追記:2021年9月30日に112円に到達したことで一斉利確しました)
資金が少なくレバレッジが高いと利益が出る前に含み損を大量に抱える危険があるので、資金には余裕を持ってスタートする必要があります。そういった意味ではトラリピはある程度運用資金が無いと始められないのはデメリットと言えます。
トラリピの設定
ここからは、具体的なトラリピの設定について紹介します。
トラリピ設定の流れ
ドル円のトラリピ設定を例に紹介します。以下はトラリピ注文の画面となります。
この例では100~120円のレンジに買いのトラップ本数を41本(1本1,000円、トラップ値幅0.5円)、利益幅は800円、トレール注文は無しで設定しています。基本的には②トラップレンジと、④トラップ本数を変更しながら⑦リスク試算を行い、注文を確定させます。
以下はリスク試算の例です。上記の設定を100万で運用すると、レバレッジ4.5倍、ロスカット89.2円となり、150万で運用するとレバレッジ3.0倍、ロスカット76.5円となります。
ここで表示されるレバレッジは最大リスクを想定した場合の試算値です。全ポジションが取られた上で一気に値下がりした場合のリスクを試算しています。
具体的に言うと、120円まで値上がりして、一度も値上がりせずに100円まで値下がりし、全ポジションを抱えたまま、ロスカット水準まで値下がりした場合です。
実際には途中で利確が発生するし、120円まで値上がりして一気に80円代まで値下がりする可能性は低いです。リスクの取り方は人によって考えが違うので正解は無いですが、私は上記の例であれば4.5倍のレバレッジ設定でも戦略としてはありです。
※レバレッジ設定はリスクを十分に考慮の上、余裕を持って行ってください。
ハーフ&ハーフ戦略
ハーフ&ハーフの設定はトラリピのレンジの上下で売りと買いの設定をそれぞれ行うことで、資金を半分に抑えてポジション作りができる非常に優れた設定となります。
レンジ設定を正しく行えればリスクを抑え、必要資金も抑えて利益を最大化できる非常に賢い設定法となります。トラリピにおいてハーフ&ハーフの戦略は重要な位置づけとなります。
デメリットとしては以下の2つです。
- 値上がり、値下がり双方のトレンドでロスカットのリスクが発生する
- マイナススワップのポジションが発生する
売りポジションの場合、一旦上昇トレンドが発生すると底値が存在しない(青天井)ため、ロスカットになる危険があります。そのため十分に余裕を見たレンジ設定が必要です。
マイナススワップのポジションに関しては意見が分かれるところですね。肯定派、否定派どちらも存在します。私はマイナススワップが苦手で現在はマイナスポジションが発生しない設定にしています。
資金効率を考えると、ハーフ&ハーフの方が良いのは確かなのでマイナススワップが気にならなければ積極的に検討してください。
トレール設定
トレール設定は、簡単に言うと逆指値の決済値が為替の動きに合わせて変動する設定です。例えばドル円で100円の決済に対し、トレール幅50銭で決済注文すると、100→102円になれば決済額も99.5→101.5円に変動します。最終的にトレール幅の50銭が値下がりした時点で逆指値に引っ掛かり利確となります。
為替が一定のトレンドで動く際は有効な設定ですが、基本的に為替は70%以上がレンジ相場なのでトレール設定が有効になる機会は少ないです。
以上のことから、私は全てトレール無しでトラリピ設定をしています。
初心者向けおすすめトラリピ設定
通貨はAUD/NZDがおすすめ
AUD/NZDはトラリピ業界では非常に人気のある通貨です。ドルや円の値動きに左右されず、一定のレンジの範囲で値動きしてくれます。
2014年以降は値動きの幅が1.0〜1.14程度の範囲に収まっていてトラップレンジを狭く取っても安全に利益が狙えます。
ハーフ&ハーフで設定
ハーフ&ハーフで設定する理由ですが、マネースクエアのキャンペーンで現在はAUD/NZDは売り/買いともにマイナススワップが発生しません。マイナススワップのことを気にせずに資金を最大限に有効活用することができます。
※現在はキャンペーン終了のためマイナススワップが発生します。しかし私は資金効率の面から継続してハーフ&ハーフで設定を行っています。
スワップの詳細に関してはマネースクエアのHPで確認するようお願いします。
値幅と本数は予算次第
直近の値動きを踏まえレンジを狭めに1.0〜1.14で取った場合を考えます。ハーフ&ハーフ戦略でトラップレンジは買い1.0~1.07、売りは1.07~1.14、トラップ本数は売り買いそれぞれ36本(トラップ値幅0.002)とします。
この設定における買いポジションの資金とレバレッジの関係は以下の通りです。
運用額 | レバレッジ | ロスカット水準 | コメント |
100,000 | 28.93倍 | 1.04085 | 絶対NG |
150,000 | 19.29倍 | 1.02221 | 絶対NG |
200,000 | 14.47倍 | 1.00358 | 絶対NG |
250,000 | 11.57倍 | 0.98493 | ハイリスク |
400,000 | 7.24倍 | 0.92901 | ハイリスク |
500,000 | 5.79倍 | 0.89175 | ミドルリスク |
600,000 | 4.83倍 | 0.85449 | ミドルリスク |
700,000 | 4.14倍 | 0.81721 | ミドルリスク |
800,000 | 3.62倍 | 0.77993 | ローリスク |
900,000 | 3.22倍 | 0.74267 | ローリスク |
1,000,000 | 2.90倍 | 0.70537 | ローリスク |
過去のレートを考えるとロスカット基準が1.0以上の運用額は設定NGとなります。ロスカットを回避可能な運用額で考えると最低でも25万、余裕を見ると50~80万は用意した方が良いと言えます。
利幅に関してはトレール無しの 0.8%をおすすめしています。AUD/NZDで言うと8.0NZドル(約600円)です。利幅を狭く取って回数で稼ぐ考え方もあるようですが、多くの方の情報を総合すると0.8%ルールが安定して稼げる最適設定となります。
初心者向けの設定をまとめると以下になります。
- AUD/NZDを選択
- ハーフ&ハーフで買1.0~1.07、売1.07~1.14
- トラップ本数はそれぞれ36本(値幅0.002)
- 利幅はトレール無しの8.0NZドル
- 運用額は50~80万用意
トラップ本数を減らせば資金は半分になるので、値幅を0.004にすれば必要資金は25~40万、0.008にすれば12~20万となります。ただ利確する頻度は減るので0.004程度の本数はあった方が良いです。
リスクを取って利益を目指す場合
資金がショートする覚悟でリスクを取って利益を出したい方もいるので、一応解説しておきます。くれぐれも過度なリスク設定は取らないようお願いします。
リスクを取った設定(※非推奨)
少し見方を変えて、一定のレンジ内しか動かない前提でロスカットされないポジションを考えると上記のAUD/NZDの例では25万での運用が最も効率が良いことになります。
ローリスクの目安となるレバレッジ3倍と比較すると資金効率は3倍となります。資金が乏しくリスクを積極的に取りたい場合はハイリスク~ミドルリスクの設定を狙っていくことになります。
ただこの設定は少しでも想定から外れた値動きがあると一発で資金が吹き飛びます。くれぐれも安易にマネして設定しないでください。
複数通貨を混ぜてリスクを分散
1通貨に集中してポジションを取ると単独通貨のリスクの影響で事故が起きることがあります。そこで複数の通貨を混ぜてポートフォリオをくみ、リスクを分散させてください。
分散の観点は、以下の通りです。
- 買い/売り両方のポジションを持つ
- 円を含まないペアを入れる
- 地域を分散する(日本/米国/欧州/オセアニア)
例えば以下のような設定は円に偏っているためおすすめできません。円高になれば全て塩漬けポジションとなってしまいます。
- USD/JPY
- AUD/JPY
- NZD/JPY
理想的なポジションとしては、片方が値上がりすれば、もう片方は値下がりするような組み合わせです。以下のような組み合わせは通貨と地域を分散しているので上記の組み合わせよりリスク分散出来ていると言えます。
- USD/JPY
- AUD/JPY
- AUD/USD
リスクを取る場合は、なるべく固有通貨(特に円)の影響を受けないようリスク分散の観点を持つようにしてください。
ミドルリスク・ミドルリターンを目指す
様々な設定を考えてきましたが、どれも最適な正解というものは無いです。ただインデックス投資で年利5〜7%が期待できるのであれば、トラリピではもう少しリターンを目指したいと考えています。
マネースクエアが提唱しているように、トラリピの目指す姿はミドルリスク・ミドルリターンが一番しっくり来ます。
具体的にはレバレッジを少し効かせて年利10%〜15%を目指すスタイルです。リスク試算のレバレッジで考えると5倍程度のレバレッジが該当します。
値動きが異なる複数通貨でポートフォリオを組み、全体リスクを下げながらレバレッジは5倍程度に設定し、一時的には含み損が投資額の30%位になる事を覚悟しながら、長期的に利益を重ねていくのが望ましい姿です。
トラリピのまとめ
以上、トラリピの仕組みと基本的な設定の考え方でした。理論は難しいですがやるのは簡単です(簡単すぎて逆に怖い(´・ω・`))。
私もトラリピが本当に稼げるのか分からなかったため、2年近くかけてポジション設定してほったらかした経験があります。
2年やってみた感想は本当に楽チン!の一言です。1回設定したら後はほっとくだけ。初期は存在すら忘れていた程です。それでも確実に利益を出してくれました。
トラリピを始める際に注意したいのが余裕資金&それなりの元手で始めることです。理想を言えば200万円位あった方が良いです。
4通貨×50万設定位から始めて感覚を掴み、慣れてきたら通貨を増やしたりトラップ本数を増やしていき、最終的に完全ほったらかし設定に移行していく運用が良いです。
200万は厳しいかもしれませんが、最低50万位は見てほしいですね。それより元手が少ないと値動きが気になって仕事が手につかなくなります(T_T)。投資を続けるならストレスを抱えないのが何よりです。
少々元手が必要ですが、あるならぜひ試してみてほしいです。自動売買の威力に感動すること間違いありません。
最新の設定状況については以下の記事をご覧ください。
トラリピを始めてみたい方は以下のマネースクエアのページをご覧ください。
口座開設して画面の雰囲気を見るだけでも自分にあうか分かるのでおすすめです。一緒に副収入チャリンチャリン生活を楽しみましょう!
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